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湿血帯不快指数

湿血帯のお知らせ、管理人の雑記など、じめじめ

9/19の拍手返事
> 14:50 蛇縄麻読了…の方


夜が里で過ごした時期は、特に猥雑な環境であったイメージがあります。その為シビアな思考に育ち、理想はあくまでも理想であり、現実との乖離に思い悩むという事は少なかったかもしれません(そういう落差に混迷し、自ら現実逃避に走りがちなのは明の方かも)

矢代の何処に惹かれるのかというと、やはり〝本来の己〟に戻ろうとする意識の強さ、それは元々の人間時代こそが本来である、という生命力の強さです。矢代自身は「悪目立ちせず平均的である事が最善」というスタンスで生きていた様子ですが、それは夜からすれば理想のひとつな訳です。そして何より「力を得たにも拘わらず、元の己に戻りたい」という思考に対し、苛立ちと羨望を抱く。それだけ人間時代に満足できていた、という証明である為。

セタンタの話でも蛹を扱い、帳番外でも蚕を扱い、近似するモチーフを書きがちですが……
やはり、変態(変化)するというのがポイントでしょうか。蛹のままであれば停滞、羽化すれば死に近付く、そういうイメージを持ちます。蛹のままであれば死を判定されぬが、何も変わらず世界から置き去られ。羽化は成長とも取れますが、生としては終わりに進んでいる。メリットデメリットはどちらにもそれぞれ有りますが、これを自ら選択できる生物は恐らく少ない。
もしも選べたら、もしも可視できたら……
という、変質や生死の選択肢を書いているのかもしれません。

これまで書いてきたものを通して観れば、夜も矢代と同じ半端な状態にあるのだと、改めて思います。

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